モルタル外壁の寿命 寿命サインと補修方法・モルタル最新情報も
2023/06/15
ご自宅のモルタル外壁にひび割れや剥がれが目立ち始めたとしたら、それは紛れもなく寿命のサインです。
けれども、適切な処置を施せばモルタル外壁の寿命の延長は可能です。
本記事は、モルタル外壁の補修方法と費用相場、他外壁との比較やモルタル最新情報を詳しく解説しています。
モルタル外壁の延命にぜひお役立てください。
モルタル外壁の寿命と耐用年数
モルタル外壁の寿命は30年といわれています。
寿命を示す根拠として、築30年のモルタル外壁の住宅が、さしたる損傷もなく落ち着いた佇まいを見せている現状があります。
もう一つの根拠は、モルタルの耐用年数です。
耐用年数とは、建築物などの減価償却資産が利用できる年数をいいます。
国税庁の耐用年数表によると、木質モルタル造の耐用年数は15~22年です。
以上2点を考え合わせると、30年を目安とするのが妥当でしょう。
モルタル外壁の寿命を知らせる劣化サイン
モルタル外壁の寿命を知らせるサインは以下の2つです。
・巾0.5mm以上のひび割れ
・剥がれ
巾0.5mm以上のひび割れは構造クラックと呼ばれ、柱や梁など、建物の主要部分に発生します。
構造クラックが全体的に見受けられるようなら寿命間近です。
モルタル外壁の剥がれは、長期間にわたる熱伸縮の繰り返しによって引き起こされる経年劣化症状です。
すでに外壁としての機能が低下しているため、放置しておくと剥がれが広がり、雨水や虫・小動物が建物内部へ侵入してしまいます。
これらの症状に対しては、応急処置でない本格的な施工が必要です。
モルタル外壁の寿命を延ばす|補修方法と費用
広範囲のひび割れや剥がれなど、寿命サインの現れたモルタル外壁の補修工事には、以下の3つの方法があります。
1.塗装
2.作り替え
3.カバー工法
それぞれの適性と費用について解説します。
塗装による補修
高圧洗浄で落ちないような汚れ、仕上げ材の浮きや剥がれがある場合には、塗装による補修工事を行います。
塗装工事の場合、塗料の種類によって費用とその後の耐用年数が大きく変わってきます。
以下表は塗料の種類ごとの単価と耐用年数です。
塗料の種類 | 塗装単価の相場(㎡) | 耐用年数 |
シリコン塗料 | 1,600円~3,300円 | 7~10年 |
ラジカル塗料 | 2,200円~3,500円 | 10~15年 |
フッ素塗料 | 2,500円~4,800円 | 11~17年 |
無機塗料 | 4,400円~5,500円 | 15~25年 |
シリコン塗料と無期塗料とのコスト差は2倍以上になりますが、耐用年数も2倍以上です。
したがって、耐用年数の長さを考慮するとトータルコストが安くなる可能性もあります。
作り替えによる補修
作り替えは、補修が必要な箇所のモルタル壁を剥がし、もう一度モルタル壁を作り直していく作業です。
全面的な改修はもちろん、部分的な補修もできるメリットがあります。
費用相場は1㎡辺り3,500~7,000円です。
ただし、作業が下地の作り直しにまで及ぶ場合、1㎡辺りの追加費用が7,000円程発生します。
作り直しによる部分補修は、周囲に馴染むのに時間がかかるため、目立ってしまう点がデメリットです。
時間が経つと解消されるデメリットですが、思い切って全面塗装する方法もあります。
カバー工法による補修
カバー工法とは、古くなったモルタル外壁の上に新しい外壁材を被せる施工法です。
全体の工事はもちろん、1面だけの施工も可能で、手軽な外壁リフォーム工法として近年人気を集めています。
費用は使用する外壁材に左右されますが、相場は1㎡辺り3,500~6,000円です。
一例として、30坪弱の住宅120㎡の外壁を金属系サイディングによるカバー工法で施工した場合、総額で150万円ほどかかります。
モルタル外壁の寿命と他外壁との比較
モルタル外壁以外の外壁材には、以下のような種類があります。
・サイディング
・タイル
・ALCパネル
それぞれのメリット・デメリット・耐用年数を比較してみましょう。
外壁材 | メリット | デメリット | 耐用年数 |
サイディング |
窯業系・金属系・樹脂系・木質系など種類が豊富 安価 |
貼り替えの際にゴミが出る ゴミの処分費用が高い |
40年 |
タイル |
高級感がある 耐久性が高い 耐水性と耐候性に優れている |
高額 剥がれる可能性がある |
20~30年 |
ALCパネル |
耐久性が高い 耐熱性や耐火性にも優れている |
つなぎ目が多い 防水性が低い |
50年 |
近年人気のサイディングですが、ゴミ問題が大きなデメリットとして立ちはだかっています。
ALCパネルの耐用年数の長さは魅力ですが、防水性の低さが気になります。
モルタル同様、落ち着いた外観のタイル壁はコスト面で二の足を踏む方が少なくないでしょう。
比較すると、改めてモルタル外壁のバランスのよさを認識させられます。
モルタル外壁の寿命がますます延びる最新情報
近年は、モルタル外壁の工法も変わり、寿命もますます延びつつあります。
2000年に成立した品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)により、新築の施工業者に雨漏り10年保証が義務付けられました。
品確法の成立以降、胴縁(どうぶち)で通気層を確保する外壁通気工法を採用した外壁が増えます。
したがって、2000年以降のモルタル外壁は、通気層により雨水や湿気が排出されるため、雨漏りのリスクを少なくなっています。
寿命(耐用年数)も10年延びました。
工法(施工年) | 寿命(耐用年数) |
外壁通気工法なし(2000年以前) | 30~40年 |
外壁通気工法あり(2000年以降) | 40~50年 |
まとめ
モルタル外壁の寿命はおよそ30年といわれています。
他外壁材と比較しても長い方ですが、2000年以降の品確法により施工技術が進化し、寿命は40年に延びました。
ひび割れや剥がれの劣化症状に敏感に反応し、適切なメンテナンスを施せば寿命はまだまだ延びる可能性があります。
しっとりと趣のある佇まいは、他外壁材では出せないモルタルならではの美観です。
本記事が、モルタル外壁の美しさを長持ちさせる一助となれたら幸いです。
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